長野県深見池は小さい池ですが、堆積物に年縞が出来るので過去から現在に至る生物相の変遷を調べる絶好のフィールドです。東大吉田研究室の大竹さんはそのメリットを生かし、湖底堆積物に含まれる動物プランクトン微化石や栄養塩等を分析することで過去300年にわたる深見池の動物プランクトン群集の変遷を調べました。その結果、深見池が出来た頃は底生性や沿岸性の種が卓越し浅い池であったこと、やがて沖帯特有の動物プランクトン種が優先するようになり、さらに富栄養化や魚類の放流にともなった群集構造が大きく変化したことを明らかにしました。力作です。

Otake, Y., H. Ohtsuki, T. Yoshida, J. Urabe, S. Kimura, K. Yamada. Long-term dynamics of cladoceran community from an early stage of lake formation in Lake Fukami-ike, Japan. Ecology and Evolution, https://doi.org/10.1002/ece3.7112.



D. longispina>>D. dentifera

長野県深見池:エアー打ち込み式のMackereth corer が浮上したところ