湖沼沿岸域に生息する広義のミジンコ類3種(マルミジンコ、シカクミジンコ、ケブカミジンコ)を対象に、トンボ幼虫(ヤゴ)に対する食われやすさを、泥がある場合と泥がない場合とで比較しました。ケブカミジンコは動きが鈍く、泥がないと容易にヤゴに食べられてしまうことが分かりました。一方、同所的にいる生息しているマルミジンコやシカクミジンコは、ヤゴにあまり食べられませんでした。ところが、泥があると、ケブカミジンコはヤゴに食べられなくなりました。泥に潜ることで身を潜め捕食を回避するためです。その結果、マルミジンコやシカクミジンコはヤゴに食べらるようになってしまいました。これら結果は、食うー食われるの種間関係の強さは、同じ種の組み合わせでも、生息場所のちょっとした違いにより変化することを示しています。

Yamada, S., J. Urabe. (2021) Roles of sediments in determining the vulnerabilities of three littoral cladoceran species to odonate larvae predation. Inland Water, doi/full/10.1080/20442041.2020.1837588.

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