[環境省 地球環境研究推進費(D-1002)FY2010-2012]
 愛媛大学・岡山大学との共同研究

山岳湖沼など、人里離れた辺境地の生態系では手付かずのまま自然は残されているのだろうか、それとも?

近年の生態系変化は、人間社会の持続性に対する脅威になると懸念されています。この脅威を回避・緩和するためには、生態系の変化を迅速に検出するための広範囲なモニタリングが必要です。しかし、辺境地、例えば高山湖沼などでは、日常的な生態系モニタリングは人的・経済的に困難です。

本研究では、この生態系モニタリングがかかえる問題を克服するため、湖底堆積物中に残存している動植物プランクトンの遺骸や生物・環境由来の化学物質に加え、動物プランクトン休眠卵がもつDNA情報等を手がかりに、過去100年間の生物群集や環境状態の変遷を高精度に明らかにするモニタリング技術を開発します。これにより、辺境地での生態系モニタリングを可能にし、大気降下物や温暖化など広域的な環境変化要因と富栄養化など地域的な変化要因の影響の識別を行っていきます。

この泥の中に、浮遊生物の遺骸とDNA情報が埋蔵されている。ここから生物学・生態学に重要な情報引き出す。