今年9月に学位を取得した、Imane SioudさんのCyclops vicinusとC. kikuchiiの生物地理と生態特性に関する論文が牧野渡さんとの共著で出版されました。
Sioud. I., W. Makino, J. Urabe. (2021) Comparative phylogeography of Cyclops vicinus Uljanin, 1875 and C. kikuchii Smirnov, 1932 in a continental archipelago with implications for differences in their ecological characteristic. Journal of Plankton Research, fbab076.
日本の湖沼では秋から冬にかけCyclops vicinusが優先的に出現しますが、そのかなりの部分は、C. kikuchiiであること、C. kikuchiiには2系統あることがわかりました。両種ともユーラシアに広く分布していますが、分散能力はC. vicinus のほうが大きいこともわかりました。
C. kikuchiiの由来とC. vicinusとの形態的違いはこちら。