Warwick Vincent博士が執筆された書籍「Lakes: a very short introduction」の翻訳本を共立出版から出版しました。陸水学や湖沼学の入門書としてだけでなく、一般的な読み物としても楽しめる書籍です。特に難しい内容はないので、学生、コンサル、一般の方に広く読んでいただけたら嬉しいです。市民活動が湖を保全した例や、南極大陸の氷の下にある大きな湖の話など、湖に関わるトリビア満載です。
湖の科学は物理、化学、生物、地学、社会学を統合する、まさに超学際的研究分野です。一見複雑そうに見える世界も、この本を読めば超学際的分野がとりたてて珍しいものではなく、身近な、あるいは地球環境を考えるうえで、きわめて当たり前の科学であることが分かると思います。
Warwick Vincent博士とは30年来の友人で、「Lakes: a very short introduction」が出版されたとき、日本語で翻訳するからねと約束していましたが、諸事情で約束を果たすまでに数年かかってしまいました。それでも、日本語版にあたっては日本人研究者の研究成果などを追加するなど、最新の知見を盛り込んでいただきました。是非、手にとって読んでください。
ちなみに、表紙の写真は、数年前に訪れた米国モンタナ州Gracer 国立公園にある山岳湖沼の一つです。